お気持ちを書くこと(お砂糖が嫌)

お気持ちの文章を書くというのは難しいことです。というのも、感情を言語化し一つの作品にまとめ上げる必要があるからです。ただ感情の吐露だけでも文章として成り立ちますが、中身があり筋の通って読まれる文章でないと読者はリアクションをしてくれません。お気持ちを書く側にとっては読者のリアクションほど大切なものはありませんから。

今回はテーマを決めてお気持ちを書く練習をしてみたいと思います。

 

 

Ⅰ骨格の作成

❶テーマを決める

まずはテーマを決めましょう。VRChatあるあるで「お砂糖が嫌」というテーマにしたいと思います。なお、執筆者はお砂糖が悪であるという思想は持ち合わせていません。

 

さて、曖昧なテーマですので、少し範囲を狭めてみましょう。

  • お砂糖という文化が嫌だ
  • お砂糖相手が嫌だ
  • 周りの人がお砂糖になっている状態・状況が嫌だ

 

どれを選んでもよいのですが、今回は「周りの人がお砂糖になっている状態・状況が嫌だ」にしましょう。

 

❷結論を仮に決める

次に結論を仮決定しましょう。といっても、結論は出ているのです。「嫌」なのです。ですから、どう嫌だったかという記述を最後に書いてまとめるとよいのです。

この部分は記事のメインになります。ですから、まずは仮置きにしておいて、思考が深まってきた後から変更するのがよいでしょう。

そしてメインのことがスラスラかけるわけないので、思い当たることを羅列するのが、まずはよいでしょう。

  • 男同士なのに
  • 自分までそういう目で見られる
  • 気を遣わなきゃいけない

 

これくらいにしておきましょう。

 

❸根拠を集める

例えば「男同士なのに」に注目しましょう。なお、同性同士が恋愛することの是非を問うわけではないことには注意しましょう。

お気持ちというのは個人の感情です。ですから、個人のエピソードがもっとも強い根拠になるでしょう。実体験をまとめるとよいのです。

 私は初心者時代から仲のよかった数人のフレンドがいる。VRCにいるときはYouTubeの動画を一緒に観ている。VRCにいないときでも、いつもディスコードでApexをしたり雀魂をしている。学生時代の部室のような感覚。一緒にとくに意味もない時間を過ごしていた。

 その集団のなかでお砂糖ができた。両方中身は男だ。Twitterでは「いつも通り接してください」なんて言っておいてるが、無理だ。あ……そういうことする人だったんだとも思う。なんかいままでの空気に戻れない感じが嫌。

 それに、はっきりオレンジステータス・プラべの率が上がった。ディスコードもいつものサーバーに居ないことが多い。きっと二人だけで通話しているんだろう。

 あぁ嫌だな。なに結婚もできない恋愛にマジになっちゃってるの? 二人の間ではいいかもしれないけど、みんなにも迷惑かかってるんだけど。

 

このエピソードと❷の結論をつなげると、こう言うことができるでしょう。

自身と関係が深い相手が、同性同士のしかもバーチャルな恋愛に真剣になっているさまに嫌悪感を抱いている、ということです。

 

Ⅰで作った文章

 まわりのひとがお砂糖になることに嫌悪感を抱く。

 たとえばこうだ。私の所属している界隈は、常時Apexをしたり雀魂をしている学生時代の部室のような関係だ。そのなかでお砂糖ができた。あぁ嫌だな。なに結婚もできない恋愛にマジになっちゃってるのだろうか。

 仲良かった人がそんなことをしているなんて思いたくもない。

 

一段目が序論、二段目が本論、三段目が結論に対応します。

 


 

 

Ⅱアイディアだし、内容の充実

❶箇条書きで書く

Ⅰでもやっていることです。こまったときはいくつか思い当たるものを箇条書きで書いてみるのです。上記記述では曖昧なところをこの方法で補ってみましょう。

  • 結婚もできない恋愛
    • 同性同士では結婚できない
    • ほんとうの恋愛であるかも怪しい
    • 結婚が恋愛のゴールであるという思想
  • 恋愛にマジになっちゃってる
    • なにかを本気で突き詰めるような集団ではなかった
    • 没頭している様子に対する距離感
    • 自身のイデオロギーに反する行為
  • 仲良かった人がそんなことをしているなんて
    • 信頼の裏切り
    • 自身の知らないサークル内サークルがある可能性
    • 周囲から自身も同一化して(お砂糖に興味があると)みられること

 

❷調べる

先人たちがさまざまな知見を述べています。上記に対して深掘りをしてみるということです。ほかの具体例なんかもでてくるでしょう。

Googleで調べるのが手っ取り早いでしょう。Wikipediaでも結構です。論文検索にはGoogle scholarのほか、CiNiiやJ-stageで調べるのがよいでしょう。

 

例えば上記の「結婚もできない恋愛」に対してはロマンチック・ラブ・イデオロギーであると考えられます。

  • 結婚もできない恋愛
    • 同性同士では結婚できない
    • ほんとうの恋愛であるかも怪しい
    • 結婚が恋愛のゴールであるという思想

 

ロマンチック・ラブ・イデオロギーは愛―性―結婚の三位一体を根幹とします。これに反するものはホンモノではないと、そういう思想ですね。例えば、同性同士の恋愛は結婚できませんのでホンモノではないというものです。

 

❸感情を書く

自身の素直な感情を、振り返ってじっくり記述することも大切です。少しずつ記述していきましょう。

  • 恋愛にマジになっちゃってる
    • なにかを本気で突き詰めるような集団ではなかった
        • 放課後の部室のような、競争から外れた友情をもっていた
        • とりあえず繋がっているイツメン
    • 没頭している様子に対する距離感
        • 切磋琢磨しようという集団ではなかったのに
        • 本気な人がいるとその熱量に距離感がある
    • 自身のイデオロギーに反する行為
        • 自分が全てってわけじゃないけど
        • 自分と違う信念を持つ人とは深い関係に慣れないな

 

自身が語っているかのように筆を進ませるのがポイントです。

 

Ⅱで作った文章

 まわりのひとがお砂糖になることに嫌悪感を抱く。

 たとえばこうだ。私の所属している界隈は、常時Apexをしたり雀魂をしている学生時代の部室のような関係だ。そのなかでお砂糖ができた。あぁ嫌だな。なに結婚もできない恋愛にマジになっちゃってるのだろうか。

 恋愛というのはそもそも、好きな人ができて、手を繋いだりキスをしたりセックスをしたりして、結婚して、子供を産み、家庭を作る。そういう営みの過程のものだろう。そうでないものは恋愛ごっこだ。ほんものではない。

 自分の信念が全てってわけじゃないんだけど。違う価値観を持っているひととは深い仲になれないな。仲良かった人がそんなことをしているなんて、そんな価値観をもっていたなんて思いたくもない。

 

本文に挿入する際には適当な言葉を添えてください。

 


 

 

Ⅲ校正

❶黙読

校正の基本です。一文一文しっかりよんでください。

 

❷文を正す

誤字脱字、文法的な誤りがある場合は訂正しましょう。

 

並列の「たり」

私の所属している界隈は、常時Apexをしたり雀魂をしている学生時代の部室のような関係だ。

下線部は誤った表現です。「たり」は並列を表す助詞です。見たり聞いたり、などと各項目につけるのが原則です。「と」も同様です。

私の所属している界隈は、常時Apexをしたり雀魂をしたりしている学生時代の部室のような関係だ。

「たり」は動詞にしか付きません。ですから、したりしているといった回りくどい表現になります。「たり」に固執せず、ほかの並列表現に代えるとよいでしょう。

私の所属している界隈は、常時Apexや雀魂をしている学生時代の部室のような関係だ。

 

主述関係が2文にわたる

 恋愛というのはそもそも、好きな人ができて、手を繋いだりだりキスをしたりセックスをしたりして、結婚して、子供を産み、家庭を作る。そういう営みの過程のものだろう。

1文目だけを見てしまうと、主語と述語の関係は「恋愛というのは……家庭を作る。」となり、ちょっと意味が通りません。意味上の述語は2文目の下線になります。

ですから「。」を「、」に変えてあげるとよいでしょう。 

 恋愛というのはそもそも、好きな人ができて、手を繋いだりキスをしたりセックスをしたりして、結婚して、子供を産み、家庭を作る、そういう営みの過程のものだろう。

 

❸文を読みやすくする

文法的には正しくても、直した方が読みやすい文があります。

 

用語統一 

 まわりのひとがお砂糖になることに嫌悪感を抱く。

 恋愛というのはそもそも、好きなができて、

 自分の信念が全てってわけじゃないんだけど。違う価値観を持っているひととは深い仲になれないな。仲良かったがそんなことをしているなんて、そんな価値観をもっていたなんて思いたくもない。

「ひと」と「人」が混在しています。特別使い分けしていない場合、どちらか一方にするのがよいでしょう。

 

 まわりのがお砂糖になることに嫌悪感を抱く。

 恋愛というのはそもそも、好きなができて、

 自分の信念が全てってわけじゃないんだけど。違う価値観を持っているとは深い仲になれないな。仲良かったがそんなことをしているなんて、そんな価値観をもっていたなんて思いたくもない。

 

常用外漢字をひらく

 恋愛というのはそもそも、好きな人ができて、手を繋いだりだりキスをしたりセックスをしたりして、結婚して、子供を産み、家庭を作る、そういう営みの過程のものだろう

 自分の信念が全てってわけじゃないんだけど。違う価値観を持っている人とは深い仲になれないな。

 

常用漢字表の読みに該当しない漢字表記をひらがなにしましょう。このひらがなにする作業をひらくといいます。「繋ぐ」→「つなぐ」、「全て」→「すべて」。

 恋愛というのはそもそも、好きな人ができて、手をつないだりだりキスをしたりセックスをしたりして、結婚して、子供を産み、家庭を作る、そういう営みの過程のものだろう。

 自分の信念がすべてってわけじゃないんだけど。違う価値観を持っている人とは深い仲になれないな。

 

Ⅲで作った文章

 まわりの人がお砂糖になることに嫌悪感を抱く。

 たとえばこうだ。私の所属している界隈は、常時Apexや雀魂をしている学生時代の部室のような関係だ。そのなかでお砂糖ができた。あぁ嫌だな。なに結婚もできない恋愛にマジになっちゃってるのだろうか。

 恋愛というのはそもそも、好きな人ができて、手をつないだりだりキスをしたりセックスをしたりして、結婚して、子供を産み、家庭を作る、そういう営みの過程のものだろう。そうでないものは恋愛ごっこだ。ほんものではない。

 自分の信念がすべてってわけじゃないんだけど。違う価値観を持っている人とは深い仲になれないな。仲良かった人がそんなことをしているなんて、そんな価値観をもっていたなんて思いたくもない。

 

校正後、再度黙読するのがよいでしょう。

 


 

これで一連のながれは終了です。あとは、Ⅰ~Ⅲをくりかえすのみです。

 

気持ちを言語化して文章に落とし込む作業のながれを記述してみました。これは私のなかでの書き方ですので、ほかの人はその書き方があると思います。

実際、文章を書いているときはこれらを同時に処理していることが多いでしょう。例えば用語統一などは気になると初めから直したくなります。ただ、もっとも執筆のペースが速いのは、Ⅰ~Ⅲをそれぞれ分けて行うことだとも実感しています。

 

まだまだ文章表現は勉強中です。以後もっと本を読み理解を深めていこうと思います。ですが、ひとまずここまでのメソッドをまとめておこうと思い、練習として執筆いたしました。

 

時間がないので炭酸水を飲む

ただの水ではなく、お茶でもなく、炭酸水を飲むことがあります。

 

 

 

費用対効果と贅沢

いま何に贅沢していますか? 贅沢というと何をイメージしますか? 私は休日に少し高級な紅茶を飲みながら本を読む時間をイメージします。まず贅沢という言葉を使うときに思い浮かべるのは価格が高いものです。そして、贅沢をしない合理性を費用対効果とも言いかえれますね。またタイパ(タイムパフォーマンス)が2022年の流行語大賞選ばれたのが記憶に新しいです。コストとして金銭ではなく時間をも消費していることがわかります。

 

いずれにせよ、人生においてあまり大切でないほとんどのものごとに関しては費用対効果のよい、言い換えるとコスパ・タイパのよい選択をするのが合理的です。そして余ったお金や時間を大切なものに対して使うわけです。逆にいうと、いまお金をかけているもの、時間をかけている体験が、つまりは大切にしているものといえますね。

 

さて、お金であれば自身で「贅沢しているな」と認識しやすいです。数値でみれますから。しかし、時間はどうでしょう。もちろん何時間使ったと数値で示すこともできます。ただし、時間を消費して得た体験に関してその質の大小をはかるのは難しいことでしょう。同じ時間を消費したとして、ぼーっとしている時間もあれば、演劇や映画を見ているときもあるでしょう。どちらが質的によさそうか、というのは何をもって判断するのでしょう。

 

 

 

贅沢の妥当性

質の妥当性については多くは他者から得ることになります。自慢話を思い浮かべるのがいいでしょう。自己の経験を語り、それをうらやむ人をもって、体験の価値が妥当なものであると感じるのです。

 

そんな嫌な言い方でなくても、相談であったり、今日あったできごとを話したりするなかで、お互いに価値を付け合っているのです。

 

ここで大切なのは多くのできごとは、何をしたかで評価するのではなく誰に認められたかで評価することになることです。価値付けが妥当であろう他者を「話のわかるやつ」と評価し、その他者からの承認を得たいのです。ですから、話しのわかる者同士で集まり小集団を形成することが、体験の質的妥当性を担保できるシステムになるのですね。

 

SNS社会では相互的に評価しあうシステムが構築されています。しかし、人間いつでも他者と一緒にいるわけではありません。

 

SNSに投稿しない、他人に話をしない、自分だけの体験はどうやって評価するのでしょう。

 

 

 

身体的刺激

ひとりでいるときは、ひとりでその体験の質的評価をしなくてはいけません。その価値付けのひとつの評価が身体的刺激でしょう。ひとりで外食をしたとき。その体験を写真にとってSNSにアップしてリアクションをもらうのが他者からの価値付けです。しかし、その場で食べて「おいしい」という評価を出すのは自分です。塩味や甘味をもつ物質がヒトの受容体を刺激し、脳まで信号を送り、総合的に「おいしい」と評価するのです。もちろん、お店に行っておいしいものをたべたという総合的な評価が必要です。ですが、その体験の軸は味覚でしょう。つまり、身体的刺激をともなう体験はその刺激が価値付けの軸になるのです。

 

エナジードリンクにあたるものはここを狙っていると思うのです。だって、有効成分だけを得るのであればマルチビタミンとカフェインの錠剤でいいのですから。それを「飲んだ」という体験に変換して、炭酸と甘味という身体的刺激を加えるのです。あんなものを飲んですぐやる気が出るなんて非科学的です。ですが「飲んだ」という体験を境に、やるぞと意気込むことは合理的です。

 

私は甘味がいらないので炭酸水だけを飲みます。刺激を求めて。ちょっとした贅沢をもらって。それまでのダラダラとした空気や嫌なことを一旦忘れることにして。作業をするぞと意気込むために。

 

ほかにも、身体的刺激がよい体験をつくることがあると思います。

 

 

何か

それでも説明できない、何かを求めることがあると思います。なにか癖のような、執着心、好み。他人には理解されないだろうが、それでいい。非刺激的な自己完結のもの。

 

例えば読書をして知識欲を満たすような。例えば音楽を聴いて好きな音を追うような。ただし、評判のよい本を読んだり、流行っている音楽を聴くのは他人の評価軸を使用しているので自己完結的ではありません。もっと深いなにか原体験を想起させるような、今までの好みの延長線にある新しいジャンルに出会ったような。そういった体験があると思います。

 

 

 

自己完結性は何を目安に考えるとよいでしょうか。昔だったらアイデンティティだとか、日記だとかで自己を見つめなおしていたでしょう。今はもっと複雑な自己をひとまとめにみることができます。それが自身のSNSです。

 

今までの投稿が堆積しある輪郭をもってそこに存在するのです。無計画にされた投稿も、なんらかの形を保っているはずです。たとえば私のTwitterであれば、本や音楽の事について投稿していて。そのなかでも批評系や日本語文法の内容が好み。といった。SNSは、自身のために自己完結的に消費する指標として大切な存在となっているのです。

 

 

 

人生のほとんど、大切でないことは費用対効果をもって合理的に判断します。逆にそうでないもの、お金や時間をかけているものは大切なものです。ただ大切なものがどれだけよいのかはわかりにくいものです。そこで、多くは他者からの評価を求めます。

一方で自身で評価付けできるものもあります。刺激をともなうもの。そうでないものは自己で質的評価をします。その評価のモノサシになるのが堆積された自己。例えばSNSアイデンティティといったもの。

 

 

 

コミュニティに在籍するためにほかの人の好みに合わせているだとか、なんか違うなと思ったら、このことを思い出してください。

 

メンヘラが考えるダメ男の作り方

メンヘラ代表としてダメ男の作り方をまとめていこうと思います。

 

 

まずメンヘラであること。メンヘラは自分のことが好きであると同時に嫌いです。この心理は理想的な自己への欲求と気に食わなさだと思います。何よりも自分が大切だし、よりよくしていきたいという気持ちはある。そういった向上心が好きという気持ちです。一方で現状に不満をもち、気に食わない部分もあります。これが嫌いな気持ちです。何かあったときは自分ファーストで動くけれども、今の自分はそんなに可愛くないし性格よくないし完璧じゃないし好きになれないな……といったところでしょう。この好きだけど嫌いという心理がダメ男を作ります。なぜなら、ダメ男もまた、自分のことが好きだけど嫌いなのです。

 

 

こと恋愛においては男女それぞれのジェンダーロールをロールプレイすることで、男性性・女性性を享受し互いに承認の実感を受け取ることができます。たとえば身を守ってあげるなど男らしいふるまいや、献身的な女性らしいふるまいをすることで、役割を全うしている実感を得ることができます。もちろん、これは古風な考え方ですが、現在においても通用する部分があると思います。そうやって互いに「自分が嫌い」を解消していくのです。

 

 

恋愛以外ではどうでしょうか。社会が「自分が嫌い」を解消してくれることがあります。仕事のやりがい、趣味、ギャンブル、酒、性風俗です。どうでしょう。こういったものは男性的なものだと思いませんか? そうなのです。つまり男性は「自分が嫌い」を恋愛以外で解消するシステムがあります。ですが、女性に関してはそこまで多くありません。女性でも同じことすればいいじゃないか、という声がありますが、難しいのです。というのは、男性主人公がこれらのことで社会から承認を得ているというのは小説やコミックでロールモデルとして認知されています。しかし女性版のそれは少ないのです。ですから、これでいいのだ! と言い切れない突っかかりがあり、振り切った行動に起こせないのです。いい女になること、キャリアウーマンとして仕事を頑張ること、家庭をもって妻になること、すべて別々の道でいいはずなのに同時に課せられるのです。

 

 

恋愛で相互的に「自分が嫌い」を解消しているはずが、男性は外で「自分が嫌い」を解消できているから、その比重は女性側の方が大きくなってしまうのです。

 

 

また、男性性を承認するような態度を続けると権力関係が男性上位に傾いてしまいます。男らしさというのは、マウントをとるようなものですからね。それを認めてしまうとどうしても自分の地位が下がってしまいます。

 

 

 

 

具体的に見ていきましょう。

 

「ダメ男」が好き

ダメ男はマウントをとって男性性を享受しています。女性のだめなところを指摘して、自分の方が優位であるとアピールするのです。しかし、メンヘラは「自分が嫌い」ですから、ダメ男からのだめだしが正論に思えてしまうのです。むしろ、私のことを好きって言ってくれるそこら辺の男より、だめだししてくれてる人のほうがよく見てくれているように思えるのです。

 

 

「ダメ男」を甘やかしてしまう

上述したように女性側の方が「自分が嫌い」を解消するために恋愛関係を使う比重が大きいですから、彼を逃したくないのです。ですから、メンヘラとしてはダメ男だとわかっていても承認してくれる存在を手放せないのです。

 

 

草食系かと思ったら「ダメ男」

草食系でガツガツしてなさそうな男かと思ったら、モラハラ気味だったりする男がいます。そういうのは「自分が嫌い」を社会で解消できていなく、恋愛関係においてマウントをとることで解消しようとしているのです。

そういった人はだいたい愛され待ちで騎乗位が好きです。

 

 

いい歳して童貞

いい歳して童貞の場合は、今まで男性性が満たされてきていないという経験があります。そのため、ちょっとでも男性性を満たしてあげるとしつこく求めてくることがあります。あとは同上です。

 

 

 

ダメ男を作ろうと思うのならば、こういった古風なジェンダーロールを積極的に取り入れていくのがよいでしょう。メタ的に、私が男を認めてやっているんだ、くらいの気持ちでいられれば依存せずにいられるかもしれません。

 

 

内輪ノリほど素晴らしいものはない

自分に合ったコミュニティを探し、アクティブメンバーになってイベントに参加し続けることで、自他ともに認め合い、満足感を得られるか。これが一生の課題です。

 

なぜなら承認欲求を満たすためといえるでしょう。承認欲求というのは一方向性です。これを受け取る側、与える側をシステマティックにまとめられたら、エコじゃないですか。それがコミュニティになるわけです。ですから、コミュニティに所属し、他者を認め、他者から認められるようにするわけです。相互的な関係ですね。

 

この一連のどこが律速段階、ボトルネックなのでしょうか。人それぞれかもしれませんが、私の場合は自分に合ったコミュニティを探すところだと感じます。

 

解決方法は2つあります。ひとつはハードルを下げること。自分に合っているとする合格基準を緩くするのです。例えば、共通項の多い趣味のコミュニティに所属するといったことが挙げられます。放送中のアニメの話をするコミュニティに参加するなどですね。もうひとつは試行回数を増やすこと。たとえヒットレシオが低くても数撃てば当たるのです。

 

といっても、前者を選ぶことができるのであれば簡単なのですが……。私みたいなタイプの人は、数撃てば当たるの精神でいくつものコミュニティの雰囲気を確認してみることがひとまずの目標になります。

このとき注意したいのが、そこは必ずしも開かれた場ではないということです。なぜなら、閉じたコミュニティじゃないと一生の課題が解決できないじゃないですか。

 

 

 

少しまとめてみましょう。

一生の課題とは、コミュニティに所属し相互的に認め合うことです。

ここで認めるというのはそのままの意味ではなくコミュニケーションをするということに具体化できます。もっというと、おしゃべりをする、一緒にゲームをして楽しむということでしょう。自己と他者の相違点を比較し、同じところを共感し、違うところを受け入れるのです。

ここでわかるのは、ある部分は同一化するのです。内輪ですね。一生の課題とやらを解決するためにはどうしても内輪になるのです。

 

私の場合は、数撃てばの精神で、まずはコミュニティの雰囲気を確認したいのです。しかし、すでに内輪なコミュニティを見て「入れそう」と感じられるのでしょうか。

という問題があるのです。

 

 

そこで、完全に閉じたコミュニティではなく、部分的に開かれたコミュニティを考えます。

 

SNS社会では部分的に開かれているコミュニティが存在します。昔はニコ生、今ではYouTubeのliveでしょう。現実世界でいうと、常連の多い居酒屋やスナックでしょうか。システム的には開かれているのですが、実態は閉じたもの。この壁を乗り越えて内輪に入れる者を「コミュ強」といったりするのでしょうね。しかし、常人には難しいのです。

 

どうすれば部分的に開かれているコミュニティに、効率よく入っていけるのでしょうか。それは、具体化の先を考えるとよいのだと思います。

例えば一緒にゲームをする仲良しコミュニティだったとしたら、ゲームというコンテンツをしてみるのです。コミュニティで内輪を築くためには同一コンテンツの消費体験をすることがあります。そのコンテンツを一緒に消費しようということです。

たまに遊ぶ人、よく遊ぶ人、いつも遊ぶ人、コミュニティに入れてくださいと、とんとん拍子でいけばよいですね。

 

 

……やっぱり大変です。

 

 

ここまで書いて、どうやら既存のコミュニティに新参者が参加するのは難しいということがわかってきました。それでも一生の課題を解決したいのです。そこで、思いついた案が2つあります。

 

一つはコミュニティを作ることです。自らたちあげたコミュニティであれば、参加するハードルはありませんからね。

もう一つは招待を受けることです。ハードルを越えていると担保してくれる他者がいればコミュニティに入れますね。

 

 

もう一度まとめてみましょう。

 

コミュニティへの参加方法は次の3つあります。

①自ら既存コミュニティに接触する
(→コンテンツをともに消費するのがよい)

②自らコミュニティをたちあげる

③既存コミュニティから招待・推薦をもらう

 

いずれもコンテンツを共に気持ちよく消費できる他者を求めていく行為の先にあると思います。そのためには(推薦をもらうためにも)自身も同様に気持ちよい他者と見られるようにありたいと思います。

 

今年聞いた曲 2023

 

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2023

1年の振り返りをします。

 

 

この1年、ブログを通してVRChatについて私感を少々綴っていました。過去の記事でも取り上げている通り、私のスタンスはVRChatは現実と地続きになっているということです。世間ではVRをリアルと比較してその優位性を語っているように思えてならないのですが、私はそう思わず、ただただ拡張された現実のひとつだなと感じるのみなのです。

 

実際、VRのおかげで広がった趣味はあります。リアルでは行かなかったクラブ系のイベントに行ったり、ファッションにこだわりをもってみたり、さまざま今までの生活から変化したところがあります。ただVRの特権というか素晴らしさというか、聖域のような印象はありません。VRChatを2~3年続けているため、初めてのころにあったときめきなどが薄れてしまっているからこういった考えになったのかもしれませんが。また、ある程度のハードル(高性能のPCやVR機器の購入)を越えてこの世界に入り込んでくるため、価値観がまったく合わない人をスクリーニングできることもあるでしょう。

 

しかし、それらはVRの特権ではないと感じるのです。趣味嗜好のきっかけやある種のゲーテッドなコミュニティは、以前であれば2chニコニコ動画がその役割でした。今目の前で行われているこれらは、ただ時代とともにその場が移り変わっただけだと思うのです。VRの特権というのは視覚的な情報量の多さ以外ないとさえ思うことがあります。

 

 

 

VRで「なりたい自分」にはなれない

例えば「なりたい自分になれる」というキャッチコピーは誤りだというのを、みなわかっているでしょう。なりたい自分にはなれません。

 

以前の記事で書いたことですが。

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メタバース進化論』(技術評論社,2022)からの引用です。

基本的には与えられた固定のものを「受け入れる」しかなかった物理現実時代のそれとは違い、メタバース時代のアイデンティティは自由に「デザインする」ものになり、「なりたい自分」として人生を送ることが可能になるのです。(p153)

 

3つの意見があります。1つめは「受け入れる」ことへの対抗が自由とされていること。2つめは自由にデザインできず、ある型を模倣すること、もしくは型からの変形でしかないこと。3つめは人生を送るためには1人では不十分だということ。

 

1つめは揚げ足取りかもしれませんね。2つめは、例えばアバターであれば基本の型(アバター)があって改変をするのです。土台は決まっていてそこに要素を付け加えたり消したりするのです。これを改変とよんでいますね。つまり、自由というのは「なりたい自分」になれるのではなく、ある型を土台にして改善や修正していくしかないのです。まったく別物のユニークなものにはなれないのです。

 

そして、一番大きいのですが、3つめ、たとえ理想の容姿やロールプレイの技術を手に入れても、それを通して人と関わらなければ人生を送るというゲームをプレイすることはできないのです。つまりは誰かと関わらなければならず。コミュニケーションがVRChatというゲーム満足度を上げる一番の要因になると感じるのです。見かけ上なりたい自分になれても、それで生活を送ることは難しい。そのため、なりたい自分と認めてもらえる自分の境界線を模索するゲームに落ち着くのです。

 

また、言葉上矛盾のように感じますが、一方で「何者かになりたい」という気持ちは肯定してます。

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ここでいう「何者かになりたい」のは、承認される像としての話です。したがって、「なりたい自分」や「作りたいもの」は受け入れられて初めて存在できるため、公共圏の範囲内でしか自由度はないのです。

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例えば公共圏を無視して、小児の性風俗アバターを作り上げることはできるでしょう。しかし、世間はそれを受け入れることはなかなかできないのです。

 

 

 

キャラと体

コミュニケーションについてはとくに承認欲求やキャラクターといったキーワードを中心にブログのエントリを書いてきました。また土井隆義の著作をよく読んでいました。

urara-k.hatenadiary.com

 

土井がいうには、現代では公共圏では「素の自分の表出」、親密圏では「装った自分の表現」となり、以前の自己表現とは逆転してしまっているというのです。また、「装った自分の表現」を優先させ、異質な点を隠す「優しい関係」であるといいます。つまり集団からハズれないように、ハブられないように、同化してつながり続けるのです。一方で集団から離れ、知らない人の中にいるときは特段同化を意識しないのですね。

 

これは本ブログに関係ないことですが、
こういった親密圏・公共圏、ウチ・ソトの2項対立ばかりを考えていたのですが、その間にもうひとつレイヤーがあるのを知りました。

 

「体(てい)」というものです。

saize-lw.hatenablog.com

 

引用元は就活の話ですが、応用できると思います。土井のいう内キャラ(本心)と外キャラ(コミュニティで演じているキャラクター)は納得できます。その中間に、「体(てい)キャラ」があるのではないか、と思うようになりました。

 

VRChatをしていると演じているキャラ(外キャラ)だけでは不十分な場面がやってきます。例えば、しっとりとした空間であったり、好きな人との会話だったり。内キャラの一部をさらけ出すことが必要になる場面がでてきます。自身の内面を打ち明ける、カミングアウトというのはしばしば屈辱的で羞恥心を伴う行為です。そして集団からハズれないようした「優しい関係」を維持できなくなる危険性があります。

 

メンヘラというのは、この内面を正直に話しすぎなのです。私も含めて。こういったときは、体(てい)を使うのがよいのです。方便です。例えば、君が一番好きだよといつでもいうのです。べつに一緒に居なくて寂しいと思っていなくても、寂しいという体にするのです。

 

 

 

ホモソーシャル

「装った自分の表現」を優先させ、異質な点を隠す「優しい関係」を行い、同質主義なのが現在のSNS社会(=VRChat)だと思っています。なかでもサービス利用者は男性が多いわけですから、男性優位主義machismoを感じることが多いです。

urara-k.hatenadiary.com

 

この記事ではこんなことを言ってたんですね。

 

メス男子について

「男らしさ」から「降りる」という選択肢もできると思います。アバター・女声やボイスチェンジャーなどで女性的なコードを身にまとうことが可能なのです。「男性」という地位につかないという選択肢で、自ら貨幣として扱われることで、社会に参加するのです。

ここで、見かけ上、ギデンズのいう「生殖という必要性から解放されたセクシュアリティ」に近いと感じてしまいます。自由に塑性できる性のため、「対等な人間同士による人格的絆の交流」という親密な関係性と錯覚してしまうのではないでしょうか。
(実際は選択したジェンダーのロールプレイのため、対等ではないように思えますが……。)

つまり、ロールプレイによる演技は誇張を伴うわけです。そのため、男性性から降りて男女隔たりない対等な関係を望むのではなく、男女の差を強調させる行いなのです。

 

お砂糖について

また、リアル社会では結婚することがまだまだ常識であり、むしろ義務のように感じます。
そのような中での「お砂糖」という関係は、結婚とは対極にある恋愛の純粋でプラトニックなものとして経験されるのではないでしょうか。

つまり、(同性同士なので)永遠に結婚することはできないという制約自体が、結婚して家族を作って生活するような生々しさをイメージすることなく、まるで愛人かのように、純粋な愛情と錯覚するのではないでしょうか。あくまで異性間のお砂糖を除いた話ですが。

 

そう考えると、メス男子もお砂糖も、男女平等に向かった結果ではなく、男女差が開く方向に誇張された結果なのではないでしょうか。

 

 

 

VRChatに限らずSNS社会、自身をどのようにでも名乗ることができます。しかし、名乗ったところでそれを認めてもらわなければ実感はありません。そのため、認められやすく誇張した外キャラを演じています。それは自身だけでなく他者もそうです。認めるにはある程度の基礎知識は必要です。ですから、似たようなところに似たような人が群がる結果となります。同質であることを確認してほっと一安心するのです。こっちが認めてやるんだからそっちも認めなさい、という契約を無意識的にやっているのですね。そんな同質性に富んだ中では少しの差異がとてつもなく強烈に見えます。だから例えば「オレたちキャラ濃いww」という寒さが出るのですね。でもいいのです。それで。その同質でゲーテッドなコミュニティの中である役をロールプレイすることでしか、私たちは実感を得られないのですから。

 

ただできる抵抗はいくつかのコミュニティに同時に所属することでしょうか。もしくはリアルを生きるか。案外、リアルの方が生きやすいかもしれません。

J-pop DJのはじめ方

VRChat内でJ-popをメインにDJをしています。
経験も知識も浅いのですが、私なりにDJをしている方法を記載していきたいと思います。これを見た人がJ-pop DJをはじめて、もっと和モノイベントが増えてくれればよいなと思います。

 

 

 


つなぎ

J-popは一般に次のような構成になっています。

    1番 2番    
セクション イントロ Aメロ Bメロ サビ 間奏 Aメロ Bメロ サビ 間奏 Cメロ サビ アウトロ

 

イントロ・間奏・アウトロがボーカルの入っていないことの多いセクションです。ここが繋ぎどころです。私の場合は、1番の間奏に次の曲のイントロを重ねます。

 
デッキ1   1番        
セクション イントロ Aメロ Bメロ サビ 間奏        
デッキ2           1番
セクション         イントロ Aメロ Bメロ サビ 間奏

 

間奏とイントロの重ね
例 STAY TUNE/Suchmos → Break Free/Nulbarich

 

つなぎ方は以下のとおりです。フェードインとちょっと速めのフェードアウトです。

BPMを合わせた後、

①デッキ2のlowを切り、デッキ2の縦フェーダーを徐々に上げる
②デッキ2のlowを徐々に上げていき、同時にデッキ1のlowを切っていく
③デッキ1にbeat fxのlow cut echoを少し(10時くらいの角度)かける
④デッキ1の縦フェーダーを切る

 

基本的に間奏やイントロといったボーカルのないセクションをつなぐため、低音にさえ気を付けていればいいかなと思い多くはlowだけでやっています。丁寧にやりたい場合はmidやhiもいじります。

 

フェーダーの動きに関しては、以下のサイトが丁寧に書かれてあり、参考にしていました。

dogal-blog.com

 

YouTubeで手元の見える動画はたくさんあるので、それを参考にしています。

アニソンmix No.2 手元公開【お宅DJ】 - YouTube

この動画なんかはlowと縦フェーダーが中心になっています。

 

 

low cut echoはお好みで、なくてもよいです。あった方が好きな場合が多いため、おまじないとして書いておきます。

 

low cut echo
例 ELECTRIC SUMMER/Base Ball Bearテレキャスター・ストライプ (全知全能 ver.)/ポルカドットスティングレイ

low cut echoなし

low cut echoあり

 

テレキャスター・ストライプはテレレテレレテレレテレレと始まりますね? これは印象的なスタートなので、フェードインなどして崩さないように、フルボリュームでいきなり流すようにします。対して、今かかっているELECTRIC SUMMERは速めのフェードアウトをしていきます。ラブホテル/クリープハイプの「夏のせい」なんかも似たように印象的なスタートですね。

ROCK以外でも『愛しい対象の護り方』カンデコ/茶太のはじめのジャーーンという感じはいかしたい要素です。ほかにもジャーーンはいろいろあると思います。

 

 

しばしば1番の間奏がなく1番のサビの後にすぐ2番のAメロがくる場合もあります。

    1番 2番    
セクション イントロ Aメロ Bメロ サビ 間奏 Aメロ Bメロ サビ 間奏 Cメロ サビ アウトロ

そういったときは

・カットイン
・low cut echoで無理やりつなぐ
・lowだけでなくmidも操作する
・2番の間奏までかける
・2番から流す
・途中でラスサビに飛ばす
・使わない

といった対処をします。

 

low cut echoで無理やりつなぐ
例 「あの娘は誰?」とか言わせたい/KIRINJI → 金曜日のヴィーナス/流線形 & 一十三十一 Feat. 堀込泰行

サビの途中から次の曲のイントロを入れています。違和感のないように雰囲気の似ている曲を選びましょう。

前の曲は何もしないと次の歌詞が始まってしまいます。ですから、low cut echoで無理やり伸ばし、「言われたよ たよ たよ たよ……」とechoをかけてます。

 

ちなみにKIRINJI(堀込高樹)と堀込泰行の兄弟つなぎなので、ボーカルの質感も似ており違和感が少なくつなげたと思います。

 

 

ボーカルのないセクションでも重ねてみるとうるさくなってしまうことがあります。そういった場合は、デッキ2の曲を入れるタイミングを遅らせ、できるだけ重なる時間を短くします。 

しかし、つなぐ時間が短くなって細かなEQの操作が難しいのが欠点です。その場合は、filterをつかってお茶を濁します。

 

例 ねぇ/Perfumeチョコレイト・ディスコ/Perfume

EQを操作(low・mid)した場合

filter(high pass)を使った場合

 

あまり違いはないと思います。ツマミ2つの操作からツマミ1つの操作になっただけでも余裕は違います。

また、この曲でもつなぎの時間は十分にある方です。アニソンなどもっと短い時間でつながなければいけないときにfilterは重宝します。

 

以前ニコニコのブロマガに上がっていたものを参考にしました。
同じ著者さんがnoteでも書いていらっしゃいますので、そちらも参考にしてください。

note.com

 

 

Cue打ちは、以上のことが操作しやすいように次の箇所に打ちます。

・曲を切り終わるタイミング:間奏のおわり
・重ね始めるタイミング:イントロのあたま

重ねる時間は私は8小節分としています。これくらいあれば慌てててもなんとかなるかなと思っているためです。

 

 

以上がベーシックなつなぎ方でした。もっとほかのつなぎ方は後述します。

 

 


セットリスト

ほかのジャンルでも、盛り上げや落ち着きの波ができるように作っている人が多いと思います。J-popでは音楽自体のもつ盛り上がり性(BPMや音圧など)のほかに知名度も盛り上がりに関与します。表にすると以下のようになるでしょう。こういったことを考えながら選曲していきます。

 

    音学的な要素
   
知名度 メジャー アンセム
マイナー ニッチ

 

また、選曲は3~4曲をひとつのカタマリとして、できるかぎりカタマリ内ではテーマをそろえ、次のカタマリに移行するときに大きく違う雰囲気へ変えるようにします。

以下、実際のセットリストを例に、どうやって作っていくかを述べていきたいと思います。

 

セットリストの例

GOTANIST でDJプレイしたものです。

https://x.com/Shikimi_t/status/1726168720547230143?s=20

 

 

私は2番手で、1番手のミカゼさんがエレクトロスイングかける予定でした。エレクトロスイングはJAZZの色が濃い音楽ですので、私もJAZZっぽい曲を選曲しました。

 

 

上記セットリストでは①~④でひとカタマリです。

Go! Go! Maniac/ALL THAT JAZZ
残酷な天使のテーゼ/ALL THAT JAZZ
③The Sweetest Time/中塚武
④愛の泉/orange pekoe

今回のセットリストはいきなりアゲていくようです。

このなかで①、②は定番曲のJAZZアレンジです。はじめにかけた①Go! Go! Maniac/ALL THAT JAZZはインスト(ボーカルのない曲)です。1番手のミカゼさんもインストの曲で終わるだろうと思ったため、それに合わせてこちらを先にかけました。

①~④はすべてJAZZの曲調で、BPMも同じくらい。対して知名度は違い③④は比較的マイナーなため、そこで盛り上げの波を作ろうとしているのです。

 

 

⑤土曜日の恋人/NONA REEVES
⑥ラブリー/大橋トリオ
⑦アポロ/モノンクル
丸ノ内サディスティック/宇多田ヒカル with 小袋成彬

このカタマリは、先ほどよりもBPMを思いっきり下げて落ち着きを表現しています。先ほどのカタマリは124前後、こちらのカタマリは90前後です。

BPM以外のところは統一感を崩さないようにしています。このカタマリ内の曲はすべて有名なJ-popのカバー曲で、知名度に差はありません。曲調もJAZZっぽさがあります。

 

 

⑨渋谷で5時/鈴木雅之 & 菊池桃子
⑩原宿午後6時/フレンズ
⑪東京は夜の七時 (feat. Night Tempo)/野宮真貴 & Night Tempo

いったん落ち着かせたためまた盛り上げの波をもってこようと思います。そのため、BPMが120台と先ほどより早めの曲群をもってきました。

 

このカタマリ内では文脈でつなぎをしています。前のカタマリの最後が「丸ノ内」サディスティックなので東京の地名でつなぎました。

このカタマリ内では5時6時7時と時間が経過していくようにつないでいます。つなぎやすいように⑪は原曲ではなく、BPMの近いNight Tempoのものを使用しました。

また、これらは渋谷系というジャンルでもつながっているため文脈的親和性の強いつなぎでした。

音楽的には少しJAZZさは薄くなり、POPSよりになっています。

 

 

⑫接吻/ORIGINAL LOVE
⑬ひかるまち/CRCK/LCKS
⑭はなれ ばなれ/クラムボン
⑮エイリアンセックスフレンド/FINAL SPANK HAPPY
⑯まわれ まわれ/流線形と比屋定篤子

今度はまた落ち着きを演出したいためにBPM90台を選曲しています。知名度は接吻以外は、今までの曲と比較してないほうだと思います。音楽的・知名度的にも落ち着きのあるカタマリとなりました。

 

次のカタマリで盛り上げるための布石でもあります。
実際、このあとはBPMも少し上がり知名度も高い曲が続いています。

 

個人的にやりたかった東京事変の曲を最後の盛り上げにして、赤い公園でしめています。

 

……と、このような感じにセットリストを組んでいます。

 

BPMや勢いや雰囲気など音楽的な要素、そして知名度という要素の両者で、アゲサゲの波を作った例でした。

 

セットリストの作り方は以下の記事を参考にしています。

note.com

 

 


Dig

 

Digり方は大きく2つあります。

 

①ほかの人のDJを参考にする

参考にしているDJを挙げます

www.twitch.tv

(filterでつなぐことを解説してくれた人)

 

www.youtube.com

 

ほかにもYouTubeでDJを検索したり、VRChatのDJイベントで気になった人のmixを聞いたりしています。

 

Spotifyでセットリストを作ってみる(こっちがメイン)

絶対に入れたい曲やテーマを決め、Spotifyのおすすめ、プレイリスト、radioで気になった曲をどんどん入れていきます。

 

ざっとしたプレイリストができたら、セットリストにするならどういう順番にするか考えながら、新しく別のプレイリストを作ります。

曲を聞きこみしながら河川敷を走ります。少し痩せます。

 

そこで選んだ曲を含むアルバムを手に入れ、一緒に入っている曲も聞きます。

 

これを繰り返します。

 

 

ほかにも個人ブログやタワレコオンラインをみることが多いです。
とくに、文脈的なつなぎをする場合は個人ブログやTwitterが役に立ちます。

 

 


ほかのつなぎ方

 

どうしてもBPMの違う曲をつなぎたいだとか、雰囲気の違う曲をつなぎたいだとか、つなぎかたの幅を広げたいとかベーシックなつなぎかたで満足できないことがあります。

 

例えば、ジャンルは少し違いますが、つなぎのテクニックは以下の動画を参考にしてます。使えるところがあればそれをJ-popにも応用します。

プロが教える!HOUSE / EDM / TECHNO で使える DJ MIX 応用テクニック 5選 with MIXFUN! (DDJ-FLX4対応!) - YouTube

プロが教える!HIPHOP / R&B で使える DJ MIX 応用テクニック 5選 with MIXFUN! (DDJ-FLX4対応!) - YouTube

【アニソンDJ教則動画】適した曲は?カットイン基本編! - YouTube

 

 

私の例も紹介します。

 

言葉・ループでつなぐ

例 ユリイカ/サカナクション爽健美茶のラップ/chelmico

ROCKとHIP HOPをつなげる機会がありました。曲調が変わるため、なにかでつなぎたいなと思って「ドクダミ」のループでつなぎました。こういう言葉でつなぐのもひとつの手段としてもっておきたいです。普段から歌詞に意識を向けておきましょう。

 

 

クラッチでつなぐ

例 350ml Galaxy/Lucky Kilimanjaro → 白日/King Gnu

BPMが123と93で大きく違います。
白日にはサビ前にスクラッチ音が入ります。ここをHot cueで再生してリズムを作ってつないでいます。実際にスクラッチしなくても、スクラッチ音のある曲を選べばなんとかなります。

ちなみに350ml Galaxyはお酒の歌で、実際のイベントではマイクパフォーマンスで乾杯を煽っています。その後に有名で比較的スローテンポな白日が流れれば、乾杯を邪魔せずかつ盛り上がれると思ったため、この並びにしました。

 

 

ボーカルとボーカルを重ねる

例 BOY/daoko → Ututu/daoko

ボーカルとコーラスを重ねる

例 すいみんやく/pinoko → Fog/daoko

イントロ・間奏など音の少ないセクションがみあたらない場合は、思いっきりボーカルとボーカル・コーラスっぽい部分を重ねてみます。もちろん、違和感が大きくならないように同じアーティストや曲調・声質の似たアーティストにしましょう。

 

 

ドラムのダダダダでつなぐ

例 WHERE?/夜の本気ダンス → シャングリラ/チャットモンチー

ちゃんとした用語がわからないのですけど、ダダダダはつなぎやすいです。BPM90(180)から129に変わっているので大幅な切り替わりですけれど、そこまで違和感なくつなげられます。

 

 

ほかには、バックスピンやちゃんとジョグを動かしたスクラッチを伴ったつなぎも取り入れています。

 


おわりに

私は独学で、主にアニソンDJを参考にJ-pop DJをしています。ほかの畑の人から見たら違うつなぎ方かもしれません。その点、ご留意ください。

 

J-popはじめ歌モノはそこまで難しくなく、つなげられるポイントが少なく制限が多いです。よく言えば、悩むことは少なく、ワンパターンになるように感じます。というかJ-popならフルでかけてもそんなに悪くないとさえ思います。

 

むしろ、つなぎ方というよりもセットリストを組んだり、Digったりする方に重要性の軸があり個性を発揮できるように思えます。そのため、DJの趣味志向が色濃く出て聞いていて楽しいのです。

 

既知の曲からはじめられる懐メロDJなんかは、聞き込みは既にしているし、フロアの盛り上がりも予想しやすいです。意外とオシャレな曲も多いですよ。昭和歌謡をやってこそとまでは言いません、まずは00年代POPSをやってみませんか?

 

基本的なことしか記述していないかもしれませんが、これを見てJ-popをやるひとが増えてくれればうれしい限りです。